次男の自傷行為が増えていった。
爆発する気持ちを自傷行為でしか発散できない次男。
何をどうしたら止められるのか。
それだけを考えて生きていた時期だった。
自傷行為を何とか止めたい
ある朝、登校したはずの次男が、自宅マンションの駐輪場の自転車の横で、ずっと立っているのが窓から見えた。
驚いて様子を見に行った。
すると、駐輪場で次男が泣いているのが分かった。
よく見ると、制服の白いシャツの左腕部分が真っ赤に染まっていた。
自分で掻きむしって出血していたのだ。
登校すると自分で決めて自宅を出たものの、どうしても登校できず、気持ちが落ち着かず、自傷行為に及んでしまったらしい。
- 学校に行かなくちゃという気持ち
- 登校して私を喜ばせたい気持ち
- どうしても体が動かず登校できなくて悔しくて悲しい気持ち
こんな気持ちが入り混じっていたのだと思う。
次男の表情は、辛そうで悲しそうで悔しそうで、何も言わずにボロボロと涙をこぼしていた。

見ていられなくて「今日は登校はやめよう」と、次男を自宅に連れて帰った。
自宅で傷の手当をしようとしても拒否された。
真っ赤に染まったシャツを一生懸命に洗った。
何度洗ったことだろうか、血まみれのシャツを。
いつまでこんなことが続くんだろうかと、泣きながら洗った。
何とか自傷行為を止めたい。
次男が何か新しいものを見つけたり、関心を持ったりできないだろうかと考えた。
ネット検索したり、人に聞いたりした。
これなら興味を持つかもしれないと思った案件を次男に話して
「一緒にやってみない?」
と話してみるが、次男はいつも悲しそうに
「いらない」
と言って、首を横に振っていた。
次男を個人塾へ
不思議なことに、その当時、登校拒否に悩む家庭のお母さん達と知り合いになった。
長男が入っていたスポーツサークルで一緒になった保護者仲間だった。
自傷行為をしていたのは次男だけだったが、話をするだけで、とても心強かった。
その保護者仲間から、ある個人塾の話を聞いた。
高校教諭を引退後に、自宅で個人塾を開設された男性がいて、フリースクールでの経験もあると言う。
それは、長男の入っているスポーツサークルの先生でもあった。

その男性は、S先生という。
心に傷を負ったり、登校拒否の生徒も通っているらしい。
お月謝も、とても良心的だという。
その話を聞いた時、心にスッと光が差し込んで来た気がした。
何とか、その塾に入れないだろうか。
すぐに、保護者仲間に連絡を取ってもらい、その塾に入れないかどうかをS先生と直接電話で話すことができた。
そして、後日、次男と一緒にS先生のご自宅に伺って面談をすることになった。
S先生との面談
面談当日、次男は私と一緒にS先生のご自宅に向かった。
塾で学習に使用する部屋に案内され、そこでS先生が優しく話を聞いてくれた。
ところが
「どうして学校に行きたくないのか」
という話題になると、次男は泣き出して興奮状態になり、自分で太ももを掻きむしり始めた。
すぐに出血した。
そこで面談は中断となってしまったが、S先生は
「次男君が塾に行きたいと言ったら来てください。お待ちしていますから。」
と言ってくれた。
そして、その後、次男と塾について話し合った。
その結果、次男は私の勧めもあったものの、自分の意志でS先生の塾に通うことになった。
S先生の塾へ通い始めた
次男が、自分の意思で、S先生の塾に通い始めた。
嬉しかった。
本当に嬉しかった。
塾には、保護者が車で送迎することになっていた。
慣れないうちは、次男は塾に行きたがらなかった。
S先生の家の前まで来ているのに、車から降りることが出来ず、そのまま帰宅したこともあった。
しかし、しばらくすると、年齢が近い友人が出来て、一緒に楽しく勉強をするようになった。
塾から帰ってくると
「楽しかったよ。今日は●●君とこんな話をしたよ。」
と、笑顔で報告をしてくれるようになった。
ものすごくものすごく、ものすごーく嬉しかった!!!
(((o(*゚▽゚*)o))) (((o(*゚▽゚*)o)))
今も、次男はS先生の塾に通い続けている。
高校卒業まではお世話になる予定だ。
登校できなかった日でも、塾には通えた。
自宅では集中できないテスト勉強も、塾では集中できるらしい。
S先生との出会いは、次男の学生生活を大きく変えていた。
本当に本当に有難く思った。

コメント
もうすぐ夜が明けます。
ブログ読み切り号泣してしまいました。
えりさん、コメントをいただき、ありがとうございます。
私の拙いブログに、涙を流してくださってありがとうございます。
まだまだ前途多難な我が家ですが、家族全員の楽しい生活を夢見て前進していきます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。