1泊2日の修学旅行は秋だった。
その年の冬、とんでもないパンデミックが起きる。
修学旅行の後
修学旅行を無事に終えて帰宅した次男。
あまりに修学旅行を楽しんだ様子だったから、もしかしたら、これからは楽しく登校してくれるんじゃないか、と淡い期待を抱いていた私。
・・・が、当然そんな訳もなく。
修学旅行後は、元通りの不登校生活を送り続けていた次男。
元夫は、修学旅行後は、次男の不登校について触れることはなかった。
修学旅行に行けたのだから、もう学校にも行けるだろうと思い込んでいる様子が伺えた。
私は、修学旅行の朝に起きた、夫と次男の修羅場を思い返したくなかった。
そして、元夫に次男のことを相談するのはやめようと思い、必要最低限度のこと以外は話さないようになっていた。
冬になり・・・
冬になっても、次男の生活は変わらず。
学校に行けたり行けなかったり。
それどころか、徐々に登校できない日が増えていった。
次男本人も
「学校に行かなくちゃいけない」
という思いを持っていて、葛藤しつつ必死に頑張ろうとしていた。
が、あまりに痛々しく辛そうだったので、私はもう登校を促すのはやめていた。
部屋にいる時の次男は、膝を抱えて壁に向かってぼんやり座り、しょげていたり泣いていたり。
何かに怯えているようだった。

見ていて辛かった。
私なりに、次男に寄り添いたいと思っているのに、どう声をかけたら良いのか分からなかった。
当時、母親なのに、こんなことも分からないのかと、自分で自分を責めていた気がする。
もうすぐ中学生になるのに、どうしたらいいんだろうと、私は毎日途方に暮れていた。
大丈夫って何!?
その頃、相談した先生や知人は、皆同じことを言った。
「中学生になったら、環境が変わるから大丈夫だよ」
そうだろうか。本当にそうなるといいなと、当時は願った。
でも、何が大丈夫なんだろうか。
何がどう大丈夫なのか、教えて欲しかった。
確かに、環境の変化は、色んなところに影響するだろうけれど。
だからって、本当に学校に登校するようになるの!?
気休めは、もう聞きたくなかった。
他人事だと思って、そんなふうに言うんだろうなと思ってしまった。
きっと、周囲からの精一杯の気遣いを含めた慰めだったんだと思う。
あっという間に冬休みになり、登校しなくてもいい毎日は、私も次男も安堵を覚える日々だった。
新型コロナウイルスの影響
冬休みが開けて間もなく、あのパンデミックがやってきた。
新型コロナウイルス。
田舎に住んでいた我が家でしたが、あっという間に影響が出始めた。
学校も、まさかの長期一斉休校に。
この一斉休校は、私にも次男にも、休息を与えてくれた期間だった。
こんなことを思ってしまうのは良くないけど、学校に行かなくても良い期間があったことは、とても嬉しかった。
一斉休校の期間中は、次男は心身ともに落ち着いた様子だった。
長男もインドアなタイプで、外出しなくても全く平気だったので、この時間がずっと続けばいいのに、と思ってしまった。

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